□麹蓋

麹蓋とは種麹を散布した蒸米を盛る容器です。
実際の酒蔵でも使われている道具で、麹蓋一枚で一升分の麹が乗せられます。
この麹蓋を使って行われる製麹を麹蓋法といい、一升単位で麹を管理することが出来るため、吟醸などの高品質な製品に使われる麹を造るときに用いられます。
価格の高い商品の麹だけ蓋麹を使う都合の良い蔵ばかりのようです。

最も悪質なのが、品評会用の酒だけ麹蓋法で造ったり、いい米で高精米して、技術と手間を惜しまず造り金賞を狙う蔵です。
こうして取った金賞は、大量生産の安酒にでかでかと金賞受賞"蔵"と記載するためのもので、あたかもその安酒が賞を受賞したかのように消費者を騙すために使われます。
このように意図して悪行を行っている蔵は、安い酒はちゃんと手を抜いている傾向が強いので、十分に気をつけましょう。金賞受賞蔵と書かれた鮭と醸造元は要注意です。

脱線しましたが、麹蓋はただの箱ではなく、その材質に重要な意味があります。
麹蓋には杉材の柾目が使われます。杉材は吸水性があり、表面にざらつきがあるため、米粒同士が密着せずに適度な間隔を保つため、麹のべたつきが回避できます。
また、麹蓋の積み方によって温度管理が出来るのも密かな特徴です。

しかしこれも結構な費用がかかるため、代用品を考える必要があります。

麹が直接触れる部分ですから、清潔なさらしを引くなどして吸水性を確保すればプラスチックのトレイなどでも代用可能だと思います。だだ臭いと加熱殺菌だけは気をつけましょう。






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