□米の精米
米の品種が決まったら精米です。
食用米でも玄米から精米して白米にしますが、それは日本酒も同じです。
精米技術が優秀なほど高品質な日本酒が造られます。
精米が水車搗きだった時代には流れの速い川を持つ灘がそれを利用した精米で天下を取り、精米機が導入されると高精米が可能となり吟醸が生まれました。
このように精米は日本酒技術の発展に大きくかかわる非常に重要な要因なのです。
そして精米は使用する米の特長によってその精米歩合が決められます。
精米とは外側のたんぱく質と脂肪を削りつつ、米に対しての心白比率を高めることです。
心拍比率が高いということは、デンプン比率が多く、吸水しやすく、麹のハゼ込みが良く、モロミの中では米の内側の解けやすい部分が多いうことです。
そしてこれは心白を有する酒造好適米にのみ特に大きな効果を与え、心白のない(または少ない)一般米や酒米では高精米の意味合いが薄まります。
商品化される日本酒でも、高精米を必要とする高価格で売る吟醸酒は酒造好適米で造り、低価格商品の普通酒や定番の純米酒では、低精米の安価な酒米を使用する事が多々あります。またよい麹造りのため麹米だけ酒造好適米を使い、掛け米は酒米や一般米を使用す部場合もあります。この場合は麹米は60%精米、掛け米は70%と言ったような精米の仕方もあります。これは悪いことではなく、米の特長を生かし安価で高品質のものを作るため行われます。
ひどいのはクズ米を無意味に大吟醸規格まで高精米し、大吟醸として売り出す蔵です。大手や地酒の殻をかぶった地方の大手が良くやる手口です。気をつけましょう。
どぶろく造りでは□米の品種選びでも書きましたが、酒造好適米の入手が難しいため高精米は望めません。どぶろくにおける米は80%も精米できれば十分です。コイン精米所で、数回機械にかけましょう。
ここで注意するのは米の割れです。精米は摩擦を利用して行われるため必然的に米の温度が上がります。
温度が上がると米の水分が失われ、この状態で再び精米に掛けると米が割れやすくなってしまいます。ビビの入ったものも吸水時に割れてしまいますので、時間を掛けて冷ましながら精米しましょう。どぶろくが高精米できない理由はここにもあるのです。精米も技術が必要です。
精米後は水分を失っているため2週間程度は休ませて米の水分量を戻します。
重さを量ることで精米歩合が図れますが、米に糠が付着しているため実際の精米歩合は少し低くなります。
玄米 80%精米
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