□ろ過

ろ過の有無、またはその方法によって、どぶろくのバリエーションが広がります。
日本酒と同じ透明の状態、まったくろ過しないどぶろく、ある程度滓引きしたどぶろく。
同じ容器で発酵させたものでも全て個性の違う味わいが生まれます。
ろ過のポイントは滓を入れるか入れないかです。
酒蔵のように自動圧搾機や船掛けによるろ過はできません。
ですからここでは二種類のろ過方法を紹介します。

□金ざるろ過

金ざる、または目の粗い網でろ過をすることにより、ある程度滓が入ったどぶろくが得られます。
滓が入ることにより甘みがあり、発酵の際の炭酸ガスを損なわない発砲にごり酒が出来上がります。
冷やして飲むと、どぶろく特有の酸と滓の甘さがあり、炭酸ガスが爽やかな酒です。
商品化されている発砲にごり酒はこのような酒質から、よく焼肉などの油の多い料理に合うといわれています。

□袋吊り

さらしで袋を作りモロミをいれ、その袋を吊るすことによりろ過を行う方法です。
ろ過が進むにつれて下部に酒粕が堆積し、それが濾材の役割を果たし、澄んだどぶろくが得られます。
袋吊り初期の粕による濾過がされていない状態で流れてくる部分を荒走りといい、若干荒い酒質となります。
酒粕による濾過槽が形成されて、そこからゆっくり流れ出る部分を中垂れといい、雑味の少ない澄んだ酒質となります。
液が出なくなり袋を絞って出た部分を責めと言い、若干の雑味と味のある酒質となります。
製品の場合は中出れは日本酒において最も済んだ酒質が得られるため、主に品評会用や高付加価値商品に使われる手段です。中垂れや中取りと表記されます。
あらばしりは商品化されることもありますが、他の商品にブレンドされるなど単体で商品化されることはあまりありません。
単体で商品化している製品、酒蔵は地雷の可能性があります。注意しましょう。

ろ過をしたら熱殺菌した瓶にいれます。
どぶろく造りはこれである程度終了です。

次の火入れ工程は火落ち菌という日本酒を駄目にする菌の繁殖を防ぐ意味合いと、日本酒の香味を整えを熟成させる意味合いがあります。
火入れをする事でフレッシュさと炭酸ガスは無くなります。反面、火入れと熟成により生酒の荒さや麹臭さなどはなくなり旨味がましていきます。
つまり、火入れをするか否かは本人しだいです。


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