□いざ、純米酒 上原 浩
この本は酒造技術指導の第一人者と知られる上原浩さんの書で、本当の日本酒である純米酒の製造法が指南されています。
長年にわたる鳥取県を中心とした酒蔵への技術指導や、蔵元交流会や酒屋、消費者への正しい日本酒の認識の指導に奔走された純米酒の父とも呼べる方です。
残念ながら亡くなってしまいましたが、その意思は確実に酒蔵や酒屋に宿っています。
技術指導ではこの「いざ、純米酒」、日本酒の正しい認識では「□純米酒を極める」を残されており、後世にわたって大きな影響を与えています。
内容は上原先生の日本酒に対する考えに始まり、日本酒製造の各工程ごとに説明がなされています。
内容は以下
1章 原点回帰 純米酒こそが日本酒だ ←上原さんの純米酒に対する考え
2章 日本酒の本質 ←米、水、酵母、酒造計画、環境について
3章 極意 これが純米酒造りだ
←配合、精米〜麹〜酒母〜火入れ〜貯蔵までの詳しい作り方
4章 温故知新 生もとが生む純米酒
←生もと、山廃、速醸の造り方
5章 生涯、一技術者 ←上原さんの自伝と回顧録
6章 醸は農なり 純米酒が業界を変える日
←これからの日本酒の進む道
内容は非常に専門的で素人には難しい内容になっています。
聞きなれない用語や酒造業界の常識部分は書かれていませんので、余計に理解しにくいかもしれません。
書かれている内容と自分で調べたものと見比べながら読むといいかもしれません。
しかし読み込むことによってより日本酒を理解できることは間違いありません。
最大の難点は入手が難しいことです。
現在は絶版となっており注文も出来ませんし、古本においても高騰しています。
しかしそれを補って余りある内容です。
私は上原さんの本を読み、自分で日本酒を勉強するうちに限りなく日本酒に近い荒ぶるどぶろく造りを決意しました。
ですからこの荒ぶるどぶろく造りの情報は、この「いざ、純米酒」を元に永田十蔵さんのどぶろく本で補填したものになっています。
この「いざ、純米酒」こそ、荒ぶるどぶろく造りの指南書なのです。
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