□荒ぶるどぶろくとは
荒ぶる魂は私の信念の根幹を成すものです。
私はこれがどうしようもなく好きだ。
私には譲れないものがある。
私はこのために生きているんだ。
そういった抑えられない思いを私は「荒ぶる魂」と呼びます。
そしてこの荒ぶる魂を持った者の抑えられない行動や言動こそ、素晴らしい作品や物事を生むのだと信じています。
その行動の一つが荒ぶるどぶろくなのです。
荒ぶる魂なしには良い物など絶対に作ることはできません。
このことが顕著に現れてしまっているのが日本酒業界です。
日本酒業界は偽りだらけです。
酒を酒だと思わず、中身を無視し利益だけ見る蔵や酒屋。
酒も飲めないのに、薀蓄だけ鵜呑みにして消費者に売る酒屋。
品質ではなく、リベートなどの条件で酒を見る酒屋。
これに加えコンビニやスーパー、ディスカウントが分けもわからず酒を売る。
そうして消費者は日本酒を毛嫌いしていく。
消費者のイメージは現在でも日本酒=悪酒です。
素晴らしい日本酒を造る、あるいは知っているのはごく一部の人間です。
大手の社員も、酒販店だって同じです。
酒屋の店員や酒蔵の営業を試してみてください。どれだけまともな見解を持っている人がいるか。
この悪循環はしばしば言い訳にされる時代のせいでしょうか。
日本酒の低迷の吉兆はもっと前、私の生ませる10年以上前の高度成長時代から出ていたようです。
それに気付かず生産者思考のまま日本酒とも言えない、肝臓に大きな負担をかける混成酒と広告、リベートを武器に突き進んできた大手によって、徐々に日本酒は消費者から離れていきました。
日本酒に限らず、肉屋、魚屋、八百屋など、どんどんプロがいなくなり、1つの大型店に飲み込まれていきます。
それにあわせ生産者側も品質重視よりより万人向けの生産性重視へと、どんどん変化しています。
利益重視の考えをもとに、アル添が前提、農薬が前提、添加物前提。
品質は低下していく一方です。
私たちの周りににどれだけ荒ぶる魂を持ち、好きなモノのプロになろうという人がいるでしょうか。好きなことを仕事とし、その文化を正しく広め伝えようと、ごくごく当たり前のことがいつから特別な事となったのでしょうか。
好きでもない仕事をし、夢を追う人間を馬鹿にする人々がいつから主流になったのでしょう。
こういう荒ぶらない人達が関わっている部分こそ確実に衰退しているのに、そのことにまったく気付いていません。
自分達が主流だと勘違いしています。
どの分野にも荒ぶる魂を持った人は確実にいます。
かならず同じような壁にぶつかっているはずです。
現状に悲しみながらも、正しい方向へ向かおうとしているはずです。
だからこそ日本酒低迷と言われている中、さらなる品質向上に向かう蔵や酒販店によって日本酒は過去最高の品質を誇っています。
私もその人たちの一員となり、私は日本酒業界で荒ぶる魂を発揮したいのです。
酒屋の息子でも酒蔵の息子でもない。身内にも知り合いにも酒造、酒販業界にいる者はいない。
名醸地に生まれ訳でもない。親が日本酒を飲んだところを見たこともない。日本酒好きな友人がいたわけでもない。
そんな私が偶然日本酒と出会い心から感動し、人生を捧げよう思った日本酒が世間では下種に見られている。
何とかしたい。日本酒の素晴らしさを伝えたい。
書いてる時点で25になったばかりの若造の実のない戯言ですが、荒ぶる思いはあるつもりです。
その熱い思いを乗せた荒ぶる魂のもと、この荒ぶるどぶろく造りに挑んでいきます。
→□酒造りの基礎知識
→□ホーム