□米の品種選び
どぶろく(日本酒)は、大まかに言うと米を原料とし、
米のデンプン質を糖化する麹菌を米粒に繁殖させるた「米こうじ」と、
米麹によって糖化され、酵母のエサとなる「掛米」によって造られます。
どぶろくの主原料である米の選択は非常に重要で、米の品種によって大きく味わいが変わります。個人で楽しむどぶろく造りにおいては、米の品種を変えることにより様々な個性を持ったどぶろくを造る事ができ、それぞれ比較し楽しむことが出来ます。米であれば問題ありません。
地元の特産米や自分の畑の米を使うなど、オリジナリティのあるどぶろくが造れます。
こだわりのどぶろく造りでは、酒造りに適した米を使うことで、より本格的などぶろく造りが楽しめます。
酒造りに向く米
1、粒が大きい→精米が可能、米の外側には蛋白、脂肪分が多い
2、蛋白、脂肪分が少ない→雑味の原因となる。
3、粘りが少ない→のり味(しつこさ)が出る。
4、心白がある→麹の食い込みが良い、発酵中の溶けがよい
5、外硬内軟な米→麹が中まで食い込み糖化力が良い、発酵時雑味の原因となる外側を酒粕にして、良質な内側を溶かし酒にする。
以上を兼ね備えた米を使うことにより、旨味がありながら淡麗で綺麗な酒を造る事が出来ます。これらの米は「酒造好適米」と言い、山田錦、五百万石、美山錦、雄町など品種が知られ、全国の酒蔵で使われています。
これらの酒はあくまで酒造用で、食べても不味いため、市場に流通しておらず、一般の消費者では入手が難しい状況です。農家や米屋の伝手、ネットで入手できれば非常に素晴らしいどぶろくが出来ます。
入手の難しい酒造好適米はさておき、荒ぶるどぶろく造りでは食用米の中でも酒造りに向く「酒米」の使用をおすすめします。酒蔵でも高価な酒造好適米ではなく酒米を使用し、コストを抑えた商品を展開している蔵が多数あります。その中でも、私個人としてはそれぞれ地元の特産米であり酒米でもある米を使うのをおすすめします。
地元の人が作った米と水を使った日本酒は、これからの業界の主流です。
ワインのAOCのようなもので、ブドウほど原料による個性は出ないものの、地酒ならぬ「地どぶろく」として非常に魅力的です。
私の場合は故郷岐阜のハツシモを使用し造っています。非常に感慨深く愛着がわき、毎日モロミの様子を伺うだけでも非常に楽しいものです。出来上がったどぶろくのラベルにはでかでかと岐阜県産ハツシモ使用と書きます。味が悪くとも最高の一本です。
米の品種の特徴は米屋に聞きましょう。
利くポイントは粘りと味です。味も粘りもない不味い米が美味い酒を作ります。
□原料米
□酒造好適米 ←酒造りに向く性質を持った、酒造り専用米。食べてもまずい。
□酒米
←一般米のなかでも酒造りに向く品種。食べてもそこそこ美味い。
□一般米 ←食用米。蛋白、脂肪分が多くて粘りもあり、食べて美味しい。
□具体的な品種
きらら、ゆきひかり、むつほまれ、つがるおとめ、吟の星、トヨニシキ、ササニシキ、アキタコマチ、キヨニシキ、出羽蝶々、豊国、京の舞、はなゆたか、なはひかり、こがねひかり、サトホナミ、ちよほなみ、たかねみのり、初星、越後早生、トドロキワセ、しなのこがね、一本ジメ、ホクネンワセ、アキヒカリ、しらかば錦、ひとごこち、やえこがね、月の光、青い空、渡舟、きぬひかり、はなの舞、黄金晴、はつしも、大空、伊勢錦、うこん錦、能登ひかり、加賀ひかり、日本晴、びわみのり、あさひの夢、あきつほ、ヤマビコ、ふくのはな、ふくひかり、金南風、早大関、朝日、こいおまち、峰光、やまほうし、ちどり、神の舞、強力、おおせと、土佐錦、レイホウ、つくしほまれ、などなど
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