□酵母
□野生酵母 ←空気中にいる奴らです。いい結果をもたらしません。
□ドライイースト ←強い発酵力。なかなか良い香り。
□新しい純米酒粕
□県産酵母、その他特殊酵母 ←香りの強い吟醸酵母や、花や果物から採取したものまで。
□協会酵母
(速醸、生系)
□協会9号、協会7号など ←酒造業界の主流、酒造用酵母です。
□泡なし酵母901号、701号など ←9号7号と同じですが、名前の通り泡が立ちません。
酵母は酒質に大きな影響を与えるため、酒粕の選択はどぶろく造りの重要なポイントです。
通常のどぶろくは簡単に入手可能で湧きが良いドライイーストを使うのが最も簡単な方法ですが、これは多目的様の培養酵母であるため、長い歴史の中、幾多の酒蔵の中から品評会で優秀な日本酒、吟醸を造り上げた蔵から発見培養された清酒酵母に敵うとは思えません(しかし市販のドライイーストで一本仕込んだら、かすかな吟香と高アルコールが得られました)。酵母にあった造りができてこそ、清酒酵母の力が引き出されます。
現在の清酒酵母の主流は、協会9号、協会7号、またそれぞれの901号、701号などの泡なし酵母、県産酵母(アルプス酵母など)、自社酵母などです。
灘や伏見などの大手の酒粕は自社酵母が多いようですが、品質にこだわる酒蔵では協会~号と言われる日本醸造協会が配布している協会酵母が主流です。特に、協会7号は昭和21年品評会の上位を独占した長野の真澄より、協会9号は吟醸の可能性を見せた熊本の香露より昭和35年に採取培養され、50年近くたった現在も主流である素晴らしい清酒酵母です。日本酒への認識を深めることを目的とした荒ぶるどぶろくでは、これら清酒酵母を使わずにはいられません。
しかし、協会酵母は醸造免許がなければ購入できませんので、協会酵母を得る方法は酒粕からの酵母培養だけとなります。協会酵母の選択は酒粕の選択により可能となります。さらに速醸もとや生もと造り、山廃造りなど醸造方法までも選択可能です。
主な特徴として、低温発酵に適し香りが良く綺麗な酒に向く協会9号、発酵力が強く生もとや山廃に向く味のある7号。県産酵母では香りの強いタイプのも多く個性的なものもあります。
酒造りの方法としては大きく速醸系と生系に別れ、造りの良悪にもよりますが、酵母の強さが変わります。生もとや山廃では自然の乳酸を取り込み、その他微生物の生存競争の中で強い酵母を作るため一匹あたりの酵母の生命力が強い傾向にあり、同じ協会酵母でも発酵力が強い酵母となります。
日本酒の使用酵母や製造法はラベルやHP、オンライン酒屋などで公表されていることが多いため、酒粕に含まれている酵母の種類が推測することが可能です。
酵母の培養が可能な酒粕は、酵母が生きている酒粕です。
酵母が死んでいる可能性のある酒粕とは、その年のものではない古い酒粕。アル添酒の酒粕です。生きていることはもちろん、良い酵母を得るため造りの良い純米酒の新粕を狙いましょう(良い酒も、良い粕も純米酒から選びましょう)。しかし、良い蔵の酒粕はスーパーや普通の酒屋ではなかなかありませんので、通販でよい蔵、自分の好きな銘柄の酒粕を狙うのがお勧めです。
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